<シャロン・ストーンの立ち上がる勇気>      



 世界中から主に政治・経済の要人が集まる通称「ダボス会議」
 そこで、女優のシャロン・ストーンが会場の参加者に一声かけたことで、
 その場で約一億円もの寄付が集まったことが、話題になった。


 「貧困との闘いの財源をどう確保するか」というシンポジウムで
 タンザニアの大統領は「感染症防止策が今すぐ必要だ」と訴えた。
 それを会場で聞いていた彼女は心動かされ、突然一人立ち上がって言ったのだ。
 「私は一万ドル(の小切手を)差し上げます。今日(マラリア防止の)蚊帳を買ってください。
  どなたか仲間になる人はいませんか?」
 これがきっかけとなって、結果百万ドルの寄付がその場で集まった。
 とても素晴らしいお話である。カッコイイ。


 しかし彼女が立ち上がったからではない。
 実はこの美談にはある展開があった。

 聞いたお話ではあるが、実は彼女の申し出に会場の人が続々立ち上がったという報道は、
 間違いではないがドラマ的な過程が抜けている。


 彼女が立ち上がり、仲間を募ったとき、
 続いて立ち上がったのは、たった一人だけだったのだ。
 訴える彼女を尻目に、おそらくは金銭的に余裕のある方々の集まりであろうその会場は、
 様子眺めの雰囲気だった。
 ついには会場の進行役は、
 彼女をなだめ、シンポジウムに戻ろうとした。

 それでも彼女は立ち続けたのだ。


 そういう状況がしばらく続いた後、
 ちらほらと立ち上がる人が現れ、
 ついにはいっせいに多くの人々が立ち上がったのだ。

 本当のカッコイイとはこういうことだと思う。
 彼女は最初に一人立ち上がり、そして立ち続けた。


 報道によると、
 ここで集まった百万ドルで
 マラリアの危険から子どもたちを守るための蚊帳が、
 20万張りほど買えるそうだ。

 彼女が一人立ち上がり、
 そして立ち続けたことが、
 結果何十万人もの命につながった。


 私もカッコイイ生き方をしたいと思う。

最初に立ち上がり、そして立ち続ける勇気を持ちたい。
 

            

(小阪裕司氏のメルマガ参照)